
忙しさの中にいると、
「自分の心に耳をすます」ということが、思ったより、むずかしくなっていきます。
何かを成し遂げることや、前に進むことばかりが大事にされる世界で、
「立ち止まること」には、どこか罪悪感のようなものがついてくる
本当は、静かに「わたしはどうしたい?」と問いかける時間こそが、
未来のかたちを決めていくんじゃないかと、私は思っています。
気づけば、空を見上げることすら忘れていた
朝4時に起き、仕事を始める。
夜中になり手を止めても、頭の中では明日の段取り…
休みの日も、ただひたすら眠り、気づけば1日が終わっていた。
そんな生活を、いつの間にか “普通” だと思っていた時期がありました。
「もっとできるはず」「まだ足りない」と、
成果のため、ずっと自分を追い立てていました。
そうやって、自分の心の声を、聞かないふりをしていたのかもしれません。
季節の変化にも気づかなくなり、
空の色も、風の匂いも、ちゃんと感じられていなかった。
ただ、「こなす」ことに必死だったのです。
変化のきっかけは、
“ふと立ち止まったとき” にやってくる
久しぶりに日記を開いてみました。
でも、何を書いていいのか、わからなかった。
その瞬間、はじめて気づきました。
「なんか…私、好きだったこと、全部やめてるな」
アニメも、本も、散歩も、ゆっくり会話をすることすらしていなかった。
どれも、自分にとっては “元気のもと” だったのに、
忙しさのなかで、いつの間にか手放してしまっていたのです。
“頑張りすぎて、自分を置いてけぼりにしていた”
きっかけは本当に些細なことだったけれど、
その気づきが、自分を取り戻す第一歩になったように思います。
「それでもやらなきゃ」が、体を壊していった
会社で働いていたとき、
突然、胃の痛みで椅子に座っていられなくなりました。
全身に蕁麻疹が広がったり、
どんな状況でも、悟られないように仕事を続けました。
「体調が悪いなんて、甘えかもしれない」
「自分だけが休むなんて、申し訳ない」
そう思って、限界を見て見ぬふりをしていたのだと思います。
でも、本当はずっと前から、
心も体も「もう無理だよ」と、訴えていたのかもしれません。
“無理を続けること” が、“がんばっている” ということではありません。
自分を大切にすることが、いちばんの“責任”
自分を大切にすることは、甘えじゃない
「迷惑をかけたくない」
「自分だけ弱音を吐くのは、ずるい気がする」
そんなふうに思って、
本音を閉じ込めていた時期がありました。
誰にも頼らず、ただひとりで踏ん張ることが、“正しい頑張り方” だと信じていたんです。
でもある日、信頼している人に言われた言葉が胸に残りました。
「まず、自分の声を聞いてあげて」って。
その言葉をきっかけに、少しずつ、肩の力が抜けていきました。
“頑張り方” を見直すことは、後ろ向きなことではなく、前に進むための準備
“頑張り方” を見直すことは、後ろ向きなことではなく、前に進むための準備
もっと軽やかに、もっと自分らしく頑張るために、
「自分を大切にする選択肢」が必要なんだと、今は思っています。
“心の余白” を取り戻す時間が、未来を変える
何かを「やめる」ことや、「立ち止まる」ことも、
“未来を育てる、大切な時間の使い方” だと、私は思っています。
忙しい毎日の中で、意識しなければ見落としてしまうような、
静かな時間や、何もしない瞬間。
そういうものが、心を整えてくれることがあります。
・深呼吸すること。
・空を見上げること。
・おいしいごはんを、ゆっくり味わうこと。
“何もしない時間” を、自分に許せるようになること。
それは、もう一度、自分の心にやさしくなれるきっかけ
あなたへ
がんばっている人ほど、無理をしてしまうことがあります。
だからこそ、「ちょっとしんどいな」と思ったときは、
その感覚を、大切にしてほしいと思います。
頑張らないことにも、ちゃんと意味があります。
あなたの心は、あなたにしか守れません。
“立ち止まること” は、未来を止めることじゃありません。
それは、もう一度、歩き出すための準備の時間です。
がんばっているあなたへ、
私の声が、あなたの心に届きますように。