
「うちの子、将来ちゃんとやっていけるかな?」
子育てをしていると、そんなふとした不安や疑問がよぎること、ありますよね。
最近よく耳にするようになった「非認知能力(ひにんちのうりょく)」という言葉。
でも、それがどんな力で、なぜ今注目されているのかは、意外と知られていないかもしれません。
このコラムでは、テストでは測れないけれど、これからの時代を生きていくうえでとても大切な「非認知能力」について、わかりやすくお伝えします。
🧠 「非認知」って、なんだろう?
「非認知能力」という言葉、最近少しずつ耳にする機会が増えてきました。
でも、“非認知”と聞くと、ちょっと難しそうに感じるかもしれません。
簡単に言えば、「テストの点数や偏差値では見えない力」のこと。
たとえば、どれだけ優しいか、あきらめずにがんばれるか、自分の気持ちをちゃんとわかっているか……
そういった“こころ”や“態度”に関わる力です。
具体的には、こんな力が含まれます:
- 「わからないけどやってみよう」と思えるチャレンジ精神
- 自分の気持ちを言葉にできる力
- 人の話を聞く、気持ちを想像する力
- 集中力や自己コントロール力
- 協調性やリーダーシップ
これらは点数には表れないけれど、実社会ではとても大切な“生きる力”。
そして、どれも日々の経験や関わりの中で、少しずつ育っていく力なんです。
📚 なぜ今、注目されてるの?
AIが進化して、調べればすぐに「正解」が出てくる時代。学校で学ぶ知識やスキルだけでは、将来に備えきれないという声が増えています。
今の子どもたちが大人になるころには、「今は存在しない仕事に就く人」がたくさん出てくるとも言われています。
これからどんな未来がくるかわからない今大切にしていくべきは
- 自分で問いを立てる力
- 変化をおもしろがれる柔軟性
- 他人とちがっても大丈夫と思える自己肯定感
こういった“非認知能力”が、未来を切りひらくカギになるのです。
「問いを持ち続ける力」や「人と協力する力」
つまり、“正解を出す力”よりも、“意味を考える力”や“やってみようとする姿勢”が、社会で求められてきているんです。
💡 非認知能力を育てるには?
非認知能力は、特別な教材や指導ではなく、日々の声かけや関わりの中でじっくり育まれていくものです。
日常生活の中で自然と子どもの中に根づかせるには、家庭や学校でこんなことを意識すると効果的です。
- 失敗してもOKな環境をつくる → 「うまくいかなかったね。でも、やってみたことがすごいよ」など、結果より挑戦を認める
- 「どう思った?」「なぜそうしたの?」と問いかける → 子ども自身の気づきや考えを大切にすることで、思考が深まる
- 結果よりもプロセスをほめる → 最後までやりとげたこと、小さな工夫や工夫した気持ちをしっかり見てあげる
たとえば、
「100点すごいね」より、「工夫して解いたんだね!」
また、親が“完璧でなくてもいい”という姿勢を見せることも大切です。
「大人もまちがえる」「やりなおせる」と知ることが、安心して挑戦できる土台になります。「100点すごいね」より、「工夫して解いたんだね!」
🎯 未来に必要な力として
これからの時代に必要なのは、
じぶんを知って、人とつながり、選びとって生きていく力
これまでのように、“正解”を覚えて、“与えられたレール”を歩いていけばよかった時代は終わりつつあります。
これからは、
- 自分で問いを立てる力
- 相手の気持ちを想像しながら対話する力
- 新しい環境にも一歩踏み出せる勇気
そんな“非認知的な力”が、子どもたちの人生において、そして社会全体においても大きな意味を持つようになります。
一人ひとりが、他の誰かと比べるのではなく、 「自分にとっての“よい生き方”」を考え、選びとれるように。
非認知教育は、そんな未来を生きる土台を、子どもたちの中にそっと育てていくものです。
点数にはならないけれど、人生にはしっかり残る力。
この“見えない力”こそ、子どもたちがこれからの社会を自分らしく生きるための、確かな土台になります。